魔王さま100分の1
たぶん、まだどこかに残っているコラトが騎馬隊の投入を決めたらしい。
シルキスは、魔王殺しでその槍を受けた。
流して抱え込み、馬の動きと逆に振って、馬上の兵士をひっぱり落とす。
落ちた兵士の腹に奪った槍の柄の側を投げつけて短い悲鳴をあげさせ、次に来る馬を見る。
倒れた槍兵ごと踏み潰すなどという選択をさせる前に、自分から走りよって、直前で跳んだ。
軽い動作で馬の頭を越え、馬上の兵を蹴り落としてシメる。
シルキスの頭に浮かぶのは暴れ牛の一件。
あれよりは楽だなと、あとに続く騎馬兵のほとんどを始末する。
コラトは、これで全ての兵を中に領地に入れた。
シルキスは、馬の数をざっと数えてから外門に向って走る。