魔王さま100分の1
この場合、死にそうセンサーと言い換えてもいいが、果たして自分の死にも働くだろうか?
だんだんと目の前が暗くなってきた。
力が抜けてずるずると腰が落ちる。
尻が地面についてしまい、両脚がだらしなくのびる。
「やることやってからにしないと……」
シルキスは腕を上げ、こぶし裏で横の扉を揺すった。
「ま、おう、さ、ま」
そして、待つ。
ああ、なんか思い出が頭をめぐってきたぞ。
せっかくなので、魔王さま絡みのを多めにしよう。
このまま眠るわけにはいかないのが……。
と、ここで日常。
魔王さまが、いつものように何の安全も確かめずに出てきてしまった。
いや、くれた。
呆然と前を見詰めて、
「シルキスううううっ!!!」
叫んでいる。
「はい」
返事をした。