魔王さま100分の1

この場合、死にそうセンサーと言い換えてもいいが、果たして自分の死にも働くだろうか?

だんだんと目の前が暗くなってきた。
力が抜けてずるずると腰が落ちる。

尻が地面についてしまい、両脚がだらしなくのびる。

「やることやってからにしないと……」

シルキスは腕を上げ、こぶし裏で横の扉を揺すった。

「ま、おう、さ、ま」

そして、待つ。

ああ、なんか思い出が頭をめぐってきたぞ。

せっかくなので、魔王さま絡みのを多めにしよう。

このまま眠るわけにはいかないのが……。

と、ここで日常。

魔王さまが、いつものように何の安全も確かめずに出てきてしまった。

いや、くれた。

呆然と前を見詰めて、

「シルキスううううっ!!!」

叫んでいる。

「はい」

返事をした。

< 287 / 329 >

この作品をシェア

pagetop