魔王さま100分の1
「うおう、しみます~」
「これからだ」
魔王さまは、銃創に指を突っ込んだ。
「ぐっ」
今度は、シルキスは声をあげない。
魔王さまは全ての弾をほじり出すと、もう一回消毒液をかけて、塗り薬を穴に詰めこんだ。
包帯でぐるぐる巻きにして終わり。
「よし、完璧だ」
「指先の治療士と呼ばせて頂きます。罵倒的な意味で」
焚き火のやけどを、ふうふうしてくれた時が懐かしい。
「服を持ってきてやる。必要な薬があるなら鍋の中に足しておけ」
「なべ?」
魔王さまは、走って地下に降りていく。