魔王さま100分の1

シルキスは、念のためにと掛けておいたクワを扉から外す。

そのクワに、魔王さま。

「おまえもこれまでよく働いてくれたな。おまえがシルキスと共に私を守りきったぞ」

感謝の言葉をかけて、そっと撫でる。

シルキス感動。
あほう扱いが、ついに日の目を見る。

と、音なく落ちるクワの先。
魔王さまの足元まで転がってきた。

「そうか、おまえも一緒に来るか。さすが忠臣」

魔王さまは、クワの先を拾い自分が持っていた袋に入れる。

シルキスは、そっと涙をふいて扉を開けた。

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