魔王さま100分の1

作業は順調。
一方、魔王さまは暇、もとい領地を散策中。

花を見たり、
花にとまっている蝶を見たり、

畑の縁に指を突っ込んだり、
そしたら出てきた土虫を埋め戻したり、

レンガの重さをひとつひとつ意味なく確かめたりして過ごしている。

と、その魔王さまからお言葉。

「レンガが多すぎないか?」
「予備も蓄えてますから」

シルキスは手を休めずに言う。

「レンガというのは、蓄えるものなのか?」
「余裕があれば」

魔王さまは、
自分が弄っていたレンガの山を見る。

魔王さまの背なら頭まで隠れられる高さがある。

さらに、
それと同程度の山が庭のあちこちに。

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