魔王さま100分の1

霞み、ついに見えなくなったころ、シルキスは魔王さまに言う。

「あのー、魔王さま。大人気ないですから、その勝ち誇った顔を消してください。相手は小さな子供ですよ」

「本人の前では、すましていてやったのだ。それだけでいいだろう」

「まったく、って、今度はなんです?」

「ふふふ、そうか一番好きか、ふふふっ」

「……とばしますよ、しっかり掴まっていてください」

「もちろんだ。おまえもしっかり抱いていろ」



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