魔王さま100分の1
「協力しよう。黙っていればいいのだろう」
「はい、それから、先任の勇者シルキスの駆け落ち相手は、ただの可愛らしいお嬢さんだと町の住民に説明してください」
「誰がそれを信じると思うのかね?」
「町の住民は、みなシルキスを慕っていたと聞きます。駆け落ちを全町民で応援するぐらいに」
「なるほど」
町長さんは頷いた。
「たった今よりシルキスの恋愛相手はただの人間だ。魔族を逃がした罪人などというのは悪い噂だ」
「はい、公式の記録も只今よりそうなります」