魔王さま100分の1


交易都市。


警備詰め所。
勇者達が一室に集まっていた。

「一部隊の独断ねえ……」

「こっちに誘いが来なかったということは、そうなんだろうけどな」

「よほど自信があったか、自前で結果を出さなきゃいかん事情があったか」

「中央の事情は複雑みたいですからねえ」

「仮に、自信過剰が原因なら隊長のせいじゃないですか?」

「俺か?」

「コラト卿の部隊といえば、王国で俺らが模擬戦させられたところですよ」

「そう、隊長がめんどくせーから20人ぐらいで手をうっとけとか言った」

「あのときは仕方ないだろ。あんな撫でただけで死んでしまいそうなのを真面目に相手にしてられるか?」

「たしかに囲まれた瞬間、気遣いで胃が溶けそうになりましたけど」

< 321 / 329 >

この作品をシェア

pagetop