魔王さま100分の1
なので、

「シルキス、今日も寝所は壁の外か?」

こういう話が始まったのは、2人がほぼ食べ終わった後。

「はい、門のすぐ向こうにある詰め所です」
「そうか」

「中にとどまったほうが効率的ですが、そうすると大騒ぎする人達が外にいますので」

「無理は言わん。訊ねただけだ」
「言ってもいいんですよ。希望にそえるかは別ですが」

「言ったら、おまえが困るだろう」
「困らせてください。本当に魔王さまが望むなら」

シルキスは、焚き火の根元を枝で突いた。
デザートの芋が埋めてある。

「私の望みか……」

魔王さまも同じく火をこねる。
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