魔王さま100分の1
「具体的でいい案だな」
「でしょう」

「兵士が納得するかな?」
「さあ?あんな壁と門を見張っているよりは楽しいと思いますけど」

「しかし、警備を減らすのはなあ~」
「出てこない魔王さまを見張ってどうするんです?」

「確認しておくが、壁と門は機能してるのか?塔の扉みたいに役立たずだったりしないだろうな?」

「魔王さま本人は、壁も門も破れないって言ってましたよ」

「信じていいのか?」
「実際に試して壊れたら町長さんが困るので、信じるしか」

「ううっ」
「ついでだから訊きますけど、塔の扉の修理は?」

「連絡は来ない」
「全く?」

「全く」

このまま忘れられちゃうといいですね。
シルキスは、口に出さずに思った。
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