魔王さま100分の1
「ですよね」

ここは開墾地。

そんな余計なものを買う金があったら、新しい土地に自己投資する。

そういう人達が集まるところ。

「あまり期待しませんが、町の警備兵は?」

「あいつらダメだ。ちらっと見て逃げ帰った」

「やっぱり」

兵といっても、民間募集の人達だ。
中央の職業軍人とは違う。

銃なんて上等な装備はない。

人間の泥棒や強盗相手なら十分頼りになる腕っぷしだけど、

モンスターの部類になれば逃げるのが賢い。

「で、逃げるそいつらがね」

お、
仲間のおばさんが追加の情報をくれるようだ。

「シルキスが来るなら、それまで待てって」
「うはっ」

町長さん。
やはり魔王さまの警備を削って、こっちにまわしましょう。

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