魔王さま100分の1
シルキスは、
女の子の鋏だけは返して言った。

「それでは、できることをしてきます。……できるだけ」

クワ2号をかついだシルキス。

「決着がつくまで近づいちゃダメですよ」

暴れ牛にむかって進みだす。

それから、

「僕が負けたらちゃんと全員逃げてくださいね」

あたり前の笑顔で念をおした。




「さて……」

最初の一頭ぐらいは後ろから襲えるかな?
考えるシルキス。

暴れ牛達はそれに応えて、全頭がこちらを見た。

「はいはい、正々堂々いきますよ」

シルキスは走りだす。
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