魔王さま100分の1
「できてますね」

鍋を抱えた状態ではリュックは下ろせないので、シルキスはひとずつつ魔力石を取り出す。

「重くありませんでしたか?」
「ふ、軽すぎなぐらいだ」

小さい背中で威厳を見せてみる魔王さま。

「ご褒美に飴でも入れておきましょうか?」

シルキスが言うと、

「そんな無駄なことはするな」

怒った。

「テーブルに置いて、すぐにひとつ食わせろ」

言う。
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