魔王さま100分の1
「これが煮えるまで少し時間がある。いいだろう、適当に思い出せるだけ話してやろう」

……どこから訊きたい?

魔王さまが、シルキスを見る。

「最初の勇者さまのことは、覚えていますか?」

「ああ」

「どんな方でした?」
「馬鹿だな」

「馬鹿?」
「自分が戦うことについて何も考えていない。思ってもいない。そういうやつだった」
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