魔王さま100分の1
魔王さまは、続ける。
「あれは、私の玉座にたどりつくまでに相応の痛みを負ってきたはずだ。
「殺したり、殺されたり、自分の手にかけ、自分の目で見て、人間で最も多くの死にふれ続けた存在だ。
「それが私と対峙して、怒りも、憎しみも、恐れも、高ぶりも、悲しみも、喜びも、感じていなかった。
「血を流し合って、すぐに分かったよ。
「こいつは何かの意思や目的を持って私に挑んできたわけではない。
「たまたま自分が人間で最強だったから、
「その他全部の人間の願いを聞き入れて、
「何も考えず、思わず、私を殺しに来たんだ。