魔王さま100分の1
どうだ?

と、魔王さまはひとつ区切りをつけた。

「それは……」

シルキスは、答えられない。

「ああ、別に答えなくていい。そういうやつを見て、私は馬鹿だと思っただけだ」

魔王さまは、まだできぬ、と鍋を見る。

「気にするな。私の感じたことは的外れかもしれない。おまえがいるという事は、やつは子を成していたということだからな」

少なくとも、と、魔王さまは前置きして。

「戦い以外の場所では、まともな人間だったのだろうさ」

明るく言った。
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