魔王さま100分の1
「他に訊きたいことはあるか?」

「いいのですか?」

「何を気にかけている。話し始めたばかりだ」

「では、ひとつ。ただし、答えたくなければ答えないでください」

「なんだそれは?」

魔王さまの笑い声。

「魔王さまを領内で殺したとき、魔王さまの力と魂は、残った他の魔王さまの身に瞬時に移る。力と魂が移った魔王さまは、分かれる前の魔王さまに近づく」

「そのとおり」

「このとき、残った魔王さまは、他の魔王さまが死んだと分かるのでしょうか?」

「おそらく分かる。ひ弱いとはいえ、力と魂が再配分されるのだ感じられぬ方がおかしい」

「おそらく、ということは?」

「ああ、今までに他の私が殺されたと感じたことはない」

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