魔王さま100分の1
雨季が過ぎてまたしばらく。
やってきた季節は夏。
輝く太陽は、
多くの作物に実りをつけていた。
「というわけで、スイカです。庭の畑で採れました」
「おおうっ」
感嘆の声をあげる魔王さまの前には、
丸々と太ったスイカが、丸々とひとつ、魔王さまの分として置かれていた。
この世界でのスイカは、雨季から夏にかけての成長が非常に早い。
種から実まであっという間だ。
なので、庭の畑にはやや作り過ぎたと思われる数のスイカが収穫の順番を待っている。
「畑にまだま生っていますからね、しばらくスイカ三昧ですよ」
「まかせろ」
作り過ぎたのは、
あの喧嘩をした直後、
シルキスの魔王さまに対するサービスが一時過剰になったことも原因だ。