銀色メモリー
「美弥ちゃん! 東林の子といたけどどうして?」

 教室に入ったとたん、片桐 瑠璃ちゃんが私のところへとやって来た。
 どうやら明のことを見たらしい。

 瑠璃ちゃんはこのあたりでもめったにお目にかかれない美少女。
 長く伸ばした髪がさらさらと風に揺れる度に、私は見とれてしまう。

 私は瑠璃ちゃんには素直に事の顛末を話したのだった。







 放課後、掃除をしている私のところへ帰ったはずの瑠璃ちゃんが戻ってきた。

「美弥ちゃん。あの子迎えに来てるみたい。待ってるよ!」
「え?」

 瑠璃ちゃんに言われてあわてて、窓から外を見れば、確かに明が校門のところで立っている。

 帰りも迎えに来たの~?

 聖校の男子用制服は、デザイン重視のデザイナーものだから、東林の普通にある学ランはとても目立つ。

 これ以上目だって欲しくなくって、私は焦って掃除を素早くすませると、校門へと走った。

 明って結構強引。
 でも、何だかそれでも面白く思えて、ほんの少しわくわくした・・・・・・。

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