だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
それを知っている俺に、紫馬さんを止める事なんて出来ない。

「くれぐれも、気をつけてくださいね」

「もちろん。
今の俺には守る人が居るからね。迷惑を掛けることだけはしないよ。
それにほら、俺が居なくなっちゃうと泣いちゃう女の子がいっぱいいるでしょう?」

言葉に段々、冗談の色が戻ってくる。
また、仮面を被ってしまった。

けれども、この人はそうやって自分を隠さなければ生きていけないほど大きな傷を負っているのだ。

「ええ。泣いちゃう女の子たちを宥めるの、俺には到底無理なんで宜しくお願いしますね」

冗談をそのまま使って言葉を返す。


互いに別々の方向に歩き出す。
まだ見ぬ明日を想って。
< 116 / 253 >

この作品をシェア

pagetop