だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
深呼吸して、気持ちを整える。

何度も、何度も。
それでも。
気持ちは涙になって溢れてしまう。

感情が高ぶっているのは、清水が傍に居るせいなのか。
それとも、熱のせいなのか。

「……都さん?」

頭を撫でていたはずの手の動きが止まる。
ちょっとちょっと。
ねぇ、そのまま抱き寄せようとしてません?

こここここ困るんですけどっ。

「なんでもないの。お願い、一人にして」

わたしは熊に顔を埋める。
好きな人の前で泣くなんて本意じゃない。

……って。
好き?

わたし、清水のこと好きなのかしら?
いやいやいや。
えっと、確かパパよりもっと年上だったわよね?

それとも、恋に年齢なんて関係ない?


思いがけない自分の気持ちに、余計に心臓が舞い上がる。
小さな子供たちを心配する辛い気持ちと、恋なんじゃないかしらと舞い上がる浮ついた気持ちが、身体の中に同居して、余計に熱が上がっていく気すらした。
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