だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「いや、俺は何も考えてないけどさ。
ヒデさん、いつも気づかないからなー」

「何に?」

「いや、お姫様が聞いてるからまた後で☆」

キラン、と。
語尾に何かしらの音がついている気がしたんだけど。
ウィンク、もしくは投げキッス?

それから、パパはがらりと口調を変える。

「悪かったね、深夜に仕事押し付けて」

「いえ、構いません。
都さん、早く元気になるといいですね」

わたしのことを眠っていると判断したのか、清水はパパにそう言った。

「本当にねぇ。
じゃあ、お休み」

「おやすみなさい」

清水の気配が遠ざかっていくだけで、胸に去来するこの淋しさってば一体何なのかしら?

「都ちゃん、一人で寝れる?」

一方。
こっちはわたしが眠っていないと分かっているパパの声だ。

「寝れてるじゃないっ」

わたしは布団から顔を出して言って見る。

「そうでした、そうでした」

パパは悪びれもせずに、甘い笑顔を零す。
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