だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
実際に駆けつけてみれば、この調子だ。
気づかないふりをするのが大変なくらいに、都さんの瞳は真っ直ぐに『誰か』だけを見ていた。
もちろん、二人の間に何かがあったとは思えないし、万が一あったとしても今の俺が口を挟めることじゃない。
いつか、最後に俺のところに来てくれるなら、その間誰と付き合っても広い目で見守ろうと思っていたつもり、だったのだけれど。
まだ、何も起こってないというのにこんなに動揺している。
眠っている都さんの小さな手が、耳を求めて動いてくる。
小さなときから、人の耳たぶを触りながら眠るのが癖なのだ。
二週間やそこらでその癖が治るはずもない。
耳を預ける代わりに、まだ熱っぽいその身体を腕枕して抱き寄せる。
いつまで、あなたの望む『お兄ちゃん』でいてあげられるのか――。
いや、既にそんな立場ではないのかもしれない。
俺はあなたが眠っていると知った上で、今まで幾度もそうしてきたように勝手にその小さな唇を奪っているのだから。
気づかないふりをするのが大変なくらいに、都さんの瞳は真っ直ぐに『誰か』だけを見ていた。
もちろん、二人の間に何かがあったとは思えないし、万が一あったとしても今の俺が口を挟めることじゃない。
いつか、最後に俺のところに来てくれるなら、その間誰と付き合っても広い目で見守ろうと思っていたつもり、だったのだけれど。
まだ、何も起こってないというのにこんなに動揺している。
眠っている都さんの小さな手が、耳を求めて動いてくる。
小さなときから、人の耳たぶを触りながら眠るのが癖なのだ。
二週間やそこらでその癖が治るはずもない。
耳を預ける代わりに、まだ熱っぽいその身体を腕枕して抱き寄せる。
いつまで、あなたの望む『お兄ちゃん』でいてあげられるのか――。
いや、既にそんな立場ではないのかもしれない。
俺はあなたが眠っていると知った上で、今まで幾度もそうしてきたように勝手にその小さな唇を奪っているのだから。