だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
パパは改めて、くしゃりと私の頭を撫でた。

「じゃあ、後でじっくり都ちゃんから聞かせてもらおうか?」

……う、だからその瞳は反則なんだって!
絶対パパって自分がかっこいいことを自覚していて、そのルックスをフルに活用してるよね?

だぁってわざわざその長身をかがめてわたしに視線を合わせて来るんだよ。
ロクでもないヤツって十分に分かっているはずなのに、わたしの心臓はどぎまぎしてしまう。

「……じゃ、じゃあ清水からで良い」

確かに、改めて自分で報告するのもなんていうかバツが悪い。
照れくさくなったわたしは、ぷいと、回れ右してその場を離れた。

もう一回人探しに行こうかなぁ。

でも、さっきお兄ちゃんなんか言ってたし。
やっぱり、わたしが組の中を歩き回るのって迷惑なのかもしれないし。
明日から、学校始まるし、まぁいっか。

自分のお部屋に戻る。

パパには言えなかったけど、確かに熊のぬいぐるみは絶妙なタイミングの良いプレゼントだった。
一人では広すぎるベッドで、今は一匹で眠っているソイツは、わたしの心強い添い寝相手でもあるのだ。
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