だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
21.スクールライフも大変なのよ
――翌朝。

さすがに学校も一週間ぶりだとなんだかワクワクする。
もっとも、ウキウキとはしゃいでいるのはわたしだけで、お兄ちゃんは何度も何度も心配そうな目線をくれるし、清水は「絶対にこれを外さないでくださいよ」と三度は念を押す。
パパなんて、車で送ろうとしてくれてるんだから。

もう。
残り少ない小学生時代を、どうにか普通に過ごさせてやろうという思いやりはないのかしら。
この人たちっ!

わたしは優しくされればされるほど、それが鬱陶しくなってきてついには一人でお邸を飛び出してしまった。


もちろん、何があるわけでもない。
平和に学校へと辿り着く。
だいたいさ、世界の中心が銀組じゃあるまいし、そんなに物騒なことばっかり起こるわけないじゃない!

「都ちゃん、インフルエンザ、治ったのー?」

久しぶりに逢ったクラスメイトたちは、相合傘事件なんて忘れてしまったのか、皆その前と変わらない様子で話しかけてきてくれた。

「うんっ。
もう、すっかり元気になったよー」

お邸で大人と一緒に過ごすのも嫌いじゃないけど、やっぱりこうやって同い年の子たちと喋っているほうが、ずっと気が楽。

お昼休みには音葉ちゃんたちとバレンタインデー談義に華が咲いた。
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