だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「都ちゃんって、青山くんと同じ中学に行くって聞いたんだけど」
一言目に音葉ちゃんが切り出すから、わたしは目を丸くする。
噂ってば本当に早くまわっていくのね。
「うーん、まぁ、受かればなんだけどねぇ」
教室の片隅、女の子4人でお喋り中。
他のクラスメイトは、外に遊びに出たり、図書室に行ったりしている時間帯。
「受かるよー、都ちゃんなら」
「そっかな」
『自分の力を上回る自信を見せちゃいけないよ……』
パパの言葉を肝に銘じているわたしは、首を傾けて曖昧に笑ってみせる。とはいえ、最近、薄々当のパパは実力以上の自信を見せまくっていることに気づきつつあるんだけどね。
「うん、絶対に大丈夫だって。
で、やっぱり本命は青山くん?」
口早に話題をそこに持っていく。
あ、やっぱり気にしていたんだ。
そして、わたしは音葉ちゃんの瞳を見て何故だか判ってしまった。
音葉ちゃんが、青山くんを好きなんだってこと。
不思議ね。自分の気持ちは持て余すのに、どうして人の気持ちは手に取るように判るのかしら?
「ううん、青山くんのことはどうも想ってないわ」
「じゃ、谷田?」
脳裏にちらりと清水の顔が過ぎる。
でも、まさかここでうちの執事、なんていうよくわからない説明を始めるわけにもいかないし。
……それに。清水はわたしのことそういう目で見てくれてないもの。
「うん」
勢いだけで、わたしはこくりと頷いていた。
一言目に音葉ちゃんが切り出すから、わたしは目を丸くする。
噂ってば本当に早くまわっていくのね。
「うーん、まぁ、受かればなんだけどねぇ」
教室の片隅、女の子4人でお喋り中。
他のクラスメイトは、外に遊びに出たり、図書室に行ったりしている時間帯。
「受かるよー、都ちゃんなら」
「そっかな」
『自分の力を上回る自信を見せちゃいけないよ……』
パパの言葉を肝に銘じているわたしは、首を傾けて曖昧に笑ってみせる。とはいえ、最近、薄々当のパパは実力以上の自信を見せまくっていることに気づきつつあるんだけどね。
「うん、絶対に大丈夫だって。
で、やっぱり本命は青山くん?」
口早に話題をそこに持っていく。
あ、やっぱり気にしていたんだ。
そして、わたしは音葉ちゃんの瞳を見て何故だか判ってしまった。
音葉ちゃんが、青山くんを好きなんだってこと。
不思議ね。自分の気持ちは持て余すのに、どうして人の気持ちは手に取るように判るのかしら?
「ううん、青山くんのことはどうも想ってないわ」
「じゃ、谷田?」
脳裏にちらりと清水の顔が過ぎる。
でも、まさかここでうちの執事、なんていうよくわからない説明を始めるわけにもいかないし。
……それに。清水はわたしのことそういう目で見てくれてないもの。
「うん」
勢いだけで、わたしはこくりと頷いていた。