だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
カチリ、とライターで火を点ける音がして、直後紫煙が目にしみた。
思わず顔をあげれば、ミラー越しに、東野と目が合う。
「ああ、煙草弱かったっけ?」
ごめんねぇ、と、心の篭らない軽い声で言うと、窓を少しだけ開けてくれた。
「でさ、どうしてあの子達に逢っちゃったの?」
「公園でパンくず拾って食べてたから、放って置けなくて」
「へぇ。
八色はどこまでも優等生なんだねぇ」
紫煙を吐き出したついでに、目をあげる。
ミラー越しに再び目が合う。
爬虫類を思わせるような、ぞっとする目。
アイドルを思わせるような綺麗な唇が、般若のごとく歪む。
「でもさ、覚えておいたほうがいいな。
世間には越えちゃいけないラインってのがあってね。
知っていてもいなくても、それを越えるとこわーい目に合うんだよー」
芝居がかった口調で言うと、楽しそうにクツクツと喉を鳴らして笑う。
「ま、いまさら覚えても手遅れかもしれないけど。
折角担任になったんだし、何か一つくらい教えてあげないと悪いよねぇ」
教室で聞くのとまるで同じ声で紡がれる、冷たい言葉に吐き気を覚えた。
思わず顔をあげれば、ミラー越しに、東野と目が合う。
「ああ、煙草弱かったっけ?」
ごめんねぇ、と、心の篭らない軽い声で言うと、窓を少しだけ開けてくれた。
「でさ、どうしてあの子達に逢っちゃったの?」
「公園でパンくず拾って食べてたから、放って置けなくて」
「へぇ。
八色はどこまでも優等生なんだねぇ」
紫煙を吐き出したついでに、目をあげる。
ミラー越しに再び目が合う。
爬虫類を思わせるような、ぞっとする目。
アイドルを思わせるような綺麗な唇が、般若のごとく歪む。
「でもさ、覚えておいたほうがいいな。
世間には越えちゃいけないラインってのがあってね。
知っていてもいなくても、それを越えるとこわーい目に合うんだよー」
芝居がかった口調で言うと、楽しそうにクツクツと喉を鳴らして笑う。
「ま、いまさら覚えても手遅れかもしれないけど。
折角担任になったんだし、何か一つくらい教えてあげないと悪いよねぇ」
教室で聞くのとまるで同じ声で紡がれる、冷たい言葉に吐き気を覚えた。