だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「やはり、あの港の倉庫ですね」

車を走らせながら、清水が言う。
俺は先に港の倉庫に着いている白井に電話を掛ける。

「ええ、バンが入ってきました」

「見られて無いか?」

「大丈夫です……あ、カシラっ」

白井の声が唐突に途絶えた。

「はぁい、次期総長」

唐突にテノールの声がやってきた。
紫馬さん、さすがに仕事が早い。しかも、既に普段のテンションを取り戻していて、俺は何故かほっとした。

「おや?随分とご機嫌ですね」

だから、それに合うように言葉を紡ぐ。

「ええ。
姫の姿をこの目で確認したものですから。
もうすぐこちらに来られるんですよね?
今すぐ助けに向かいたいのですが、ちょっと人数が足りないんです」

「ええ、後10分程で」

「お待ちしています、お気をつけて」

「紫馬の頭、ですか?」

「ああ」

俺は頷く。

清水の表情も少しだけ緊張から解放されたように思えた。

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