だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「そこの二人はどうなさるんですか?」
早速紫馬さんに懐いたのか、その両手には先ほどのフィリピン人の女の子と、中国人の男の子がコアラさながらにくっついていた。
「折角だから本部でしばらく療養させてあげましょう。
ほら、小川の退屈しのぎになるじゃぁないですか。
元気になったら、それぞれ本国に帰してあげればいい。
なぁに、簡単なことです」
紫馬さんはあっさりと言い放つ。
「外務省には太いパイプがあるのでね。
ほら、警察がここに来る前に帰りましょう。
幸い、この二人がもめて互いに撃ち合った様にしか見えないですし」
そういうと、俺の懐に手を突っ込んで銃を取り、あっさり二人の男の真ん中に投げ捨てた。
「それ、気に入ってたんだけど」
つい、お気に入りの玩具を取り上げられた子供のような口調になる。
「また買ってさしあげますよ。
いくらでも」
ブランド物のバッグをいくつでもプレゼントしてあげる、と、恋人に優しく囁くような笑顔で紫馬さんが応える。
「一つの銃で二人で打ち合うなんて不自然じゃないですか?」
「こんなハンパモノ、わざわざそんな実況検分して、死因を特定するわけないじゃないですか。
警察ってそんなにお人よしな機関じゃないんですよ。
面倒なヤクザが二人死んで良かったな、って。
居酒屋で安い酒でも酌み交わしながら、酒の肴にするのがオチなんですから」
行きましょう、と。
高級ホテルのボーイさながらに、俺をエスコートしてくれる紫馬さん。
両手には、小さな子供たちが懐いている。
子供が懐く人に悪い人は居ない、なんて通説。
あれは嘘だなと確信しながら、胸糞の悪い倉庫を後にした。
早速紫馬さんに懐いたのか、その両手には先ほどのフィリピン人の女の子と、中国人の男の子がコアラさながらにくっついていた。
「折角だから本部でしばらく療養させてあげましょう。
ほら、小川の退屈しのぎになるじゃぁないですか。
元気になったら、それぞれ本国に帰してあげればいい。
なぁに、簡単なことです」
紫馬さんはあっさりと言い放つ。
「外務省には太いパイプがあるのでね。
ほら、警察がここに来る前に帰りましょう。
幸い、この二人がもめて互いに撃ち合った様にしか見えないですし」
そういうと、俺の懐に手を突っ込んで銃を取り、あっさり二人の男の真ん中に投げ捨てた。
「それ、気に入ってたんだけど」
つい、お気に入りの玩具を取り上げられた子供のような口調になる。
「また買ってさしあげますよ。
いくらでも」
ブランド物のバッグをいくつでもプレゼントしてあげる、と、恋人に優しく囁くような笑顔で紫馬さんが応える。
「一つの銃で二人で打ち合うなんて不自然じゃないですか?」
「こんなハンパモノ、わざわざそんな実況検分して、死因を特定するわけないじゃないですか。
警察ってそんなにお人よしな機関じゃないんですよ。
面倒なヤクザが二人死んで良かったな、って。
居酒屋で安い酒でも酌み交わしながら、酒の肴にするのがオチなんですから」
行きましょう、と。
高級ホテルのボーイさながらに、俺をエスコートしてくれる紫馬さん。
両手には、小さな子供たちが懐いている。
子供が懐く人に悪い人は居ない、なんて通説。
あれは嘘だなと確信しながら、胸糞の悪い倉庫を後にした。