だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
でも、そんなことで迷っている場合じゃなくなった。
事件は昼休みに起きたのだ。
結局、どうしても清水に学校でチョコレートを渡したかった私は、谷田陸に昼休みにチョコを渡すことに決めた。
薄曇の空の下、サッカーボールを懸命に蹴っている姿は少年っぽくてとても可愛らしい。
それを、少し離れたところで見届けたわたしは、谷田に声を掛けた。
「ねぇ、た……」
「ちょっと、都ちゃんっ」
わたしの声は、尖った声にかき消された。
驚いて目をやると、音葉ちゃんは泣いているし、理沙ちゃんと静江ちゃんがその両肩を支え、怒った顔でわたしを見ていた。
「な……に?
ちょっと、音葉ちゃん、どうしたの?」
驚いて近づこうとした肩を、静江ちゃんが強い力で押してきた。
その、暴力的な勢いにわたしは目を丸くする。
「アンタのそういう偽善者っぽいところ、前から嫌いだったんだよね」
――グサリ。
驚くほど、簡単に。
彼女の言葉がわたしを切り刻んでいく。
「そうだよ。
谷田が好きとか言ってさ、青山にだって気に入られてるなんて、アンタ、最低」
し、知らない。
青山くんがわたしを好きだなんて話、聞いたこともないもん――
事件は昼休みに起きたのだ。
結局、どうしても清水に学校でチョコレートを渡したかった私は、谷田陸に昼休みにチョコを渡すことに決めた。
薄曇の空の下、サッカーボールを懸命に蹴っている姿は少年っぽくてとても可愛らしい。
それを、少し離れたところで見届けたわたしは、谷田に声を掛けた。
「ねぇ、た……」
「ちょっと、都ちゃんっ」
わたしの声は、尖った声にかき消された。
驚いて目をやると、音葉ちゃんは泣いているし、理沙ちゃんと静江ちゃんがその両肩を支え、怒った顔でわたしを見ていた。
「な……に?
ちょっと、音葉ちゃん、どうしたの?」
驚いて近づこうとした肩を、静江ちゃんが強い力で押してきた。
その、暴力的な勢いにわたしは目を丸くする。
「アンタのそういう偽善者っぽいところ、前から嫌いだったんだよね」
――グサリ。
驚くほど、簡単に。
彼女の言葉がわたしを切り刻んでいく。
「そうだよ。
谷田が好きとか言ってさ、青山にだって気に入られてるなんて、アンタ、最低」
し、知らない。
青山くんがわたしを好きだなんて話、聞いたこともないもん――