だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「何年生のことだったかは……忘れてしまいましたねぇ。
都さんには信じられないかもしれませんけど、小学校なんて卒業してしまえば、1年生も6年生もあまり変わらないものなんですよ」

し、信じられるわけないじゃない!
あんなに小さくて右も左も分からない1年生と、もう大人と大差ない振る舞いが出来るわたしたち6年生が同じだなんて!!

わたしは多分不思議そうな視線を清水に向けていたんだと思う。
でも、まぁ、清水の恋が何年生のときだったかって言うのは確かにこの際関係ないわ。

時間の感じ方の相違について話し合いを始めたら、折角テーブルに突っ伏しているパパが起き上がって参加してくるかもしれないし。

慌ててこくりと頷く。

「きっかけは?」

「ありきたりですよ。
そのクラスになったとき、隣の席だったんです、その子。
名前は同じ、清水さん」

「出席番号が同じ、とか?」

「そうそう。
同じ苗字って言うのもなんだか気になりません?
苗字だけで呼ばれるたびに、二人で振り返っていたり」

「じゃあ、そうやって偶然が重なって段々気になっていったってこと?」

「一言で纏めてしまうとそうですね」

ふぅん。
恋って最初は、気になっちゃうところから始まるのか。

メモメモ。

わたしは頭の中のメモ帳に記入した。
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