だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「いかがですか?」

柔らかい言葉とは矛盾したかのような、強い瞳が音葉ちゃんを真っ直ぐに捉えていた。

「わ、分かりました」

催眠術にでもかかったかのように、音葉ちゃんは大きくこくりと頷いている。

途端。
お兄ちゃんの瞳の力が緩む。

「ありがとうございます。
都さん、そういうわけで帰りも迎えに来ますから」

じゃあね、と。
拒否する間もなく頬にキスして、くるりと踵を返していった。

ちょおっと。
そこらへんに居る子たち皆がこっちを見てるんですけどぉ?

「ちょっと、ねぇ、都ちゃんっ。
今の、誰?」

我に返った音葉ちゃんに質問攻めされたことは、言うまでもない。


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