だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「いいの。
どっちにしたってパパに聞くよりずっと、参考になるに決まってるんだからっ」

わたしは結論が出なさそうな二人の会話をぶった切る。
パパが眉根を寄せた。

「それは、パパからの話も聞いた後で判断してくれない?」

「今日はもう頭が一杯だからまた今度、ね☆
おやすみなさい」

わたしは笑うとぴょんと、部屋を飛び出した。
学校の先生が言ってたんだもん。

大事なことはメモにとりましょうって。
早くお部屋に戻って、パパに買ってもらったばっかりの可愛いシャーペン使って、手帳に書いておかなきゃ。

『気になるところから、恋が始まる』

わたし、誰のことが気になってたっけ。

……お兄ちゃん、とか?

そこまで考えて、何故だか心臓がどきりと跳ねた。

うーん、多分、あれよあれ。
嫌いな人のことも気になるに違いない。

だって、『嫌い嫌いも好きのうち』なんだから。


だから、お兄ちゃんの次に気になる人を探そうっと。

わたしは翌日の準備を整えて、熊のぬいぐるみを抱きしめて眠りについた。
< 27 / 253 >

この作品をシェア

pagetop