だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
6.相合傘と全力疾走
あっという間に始業式が終わって、わたしは教室に帰ろうとしていた。
「八色さん?」
驚いた青山くんに呼び止められる。
青山くんは優等生肌で、谷田陸と同じ小六とは思えないほどに落ち着いている人だった。
しかも、文武両道。
クラス委員にぴったり!という人材で、わたしは気づけばよくこの人と一緒にクラス委員をやらされていた。
ちなみにわたしが選出される理由は毎年同じ。
『クラスで一番大人びているから』
つまり、落ち着いているってことらしいの。
そういう人がしっかりしていそうに見える、らしいよ?
小学生にとっては。
……皆も早く落ち着くといいと思うんだけど。
「何?」
わたしは思わず立ち止まる。
きょとんとされた、青山くんの方が驚きを隠せない感じでわたしを見ている。
お陰で、皆の流れに逆らって、わたしと青山くんだけが立ち止まって見詰め合うような感じになってしまった。
「いや、僕たち、東野先生から職員室に呼ばれてたよね?」
あ、そうでした。
ついつい。
お兄ちゃんにいつ電話をかけようかとそればっかり考えていたことに、ここで初めて気づいて心の中で苦笑する。
「そうだったわね。
ありがとう」
わたしは淡々と言うと、青山くんと一緒に職員室へと向かった。
「八色さん?」
驚いた青山くんに呼び止められる。
青山くんは優等生肌で、谷田陸と同じ小六とは思えないほどに落ち着いている人だった。
しかも、文武両道。
クラス委員にぴったり!という人材で、わたしは気づけばよくこの人と一緒にクラス委員をやらされていた。
ちなみにわたしが選出される理由は毎年同じ。
『クラスで一番大人びているから』
つまり、落ち着いているってことらしいの。
そういう人がしっかりしていそうに見える、らしいよ?
小学生にとっては。
……皆も早く落ち着くといいと思うんだけど。
「何?」
わたしは思わず立ち止まる。
きょとんとされた、青山くんの方が驚きを隠せない感じでわたしを見ている。
お陰で、皆の流れに逆らって、わたしと青山くんだけが立ち止まって見詰め合うような感じになってしまった。
「いや、僕たち、東野先生から職員室に呼ばれてたよね?」
あ、そうでした。
ついつい。
お兄ちゃんにいつ電話をかけようかとそればっかり考えていたことに、ここで初めて気づいて心の中で苦笑する。
「そうだったわね。
ありがとう」
わたしは淡々と言うと、青山くんと一緒に職員室へと向かった。