だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
東野先生が入ってきて、騒ぎはようやく収まった。

順調にホームルームも終わり、初日はあっという間に終わった。

「ちょっと、都ちゃんってば」

後ろから、音葉ちゃんに呼び止められる。

「ん?」

急いで帰る気なんて全くない私は振り向いた。

「だから、青山くんとどうなのよ?」

え?
私はきょとんとする。

「だぁって、相合傘書いてあったんだよー。
火のないところに煙は立たないんだってさ」

だってさ、なんて真剣な顔して言われても困るんだけど。
幸い、青山くんはもう帰っちゃったみたい。

「なんでもないってばぁっ」

「でもぉ」

驚くほど不毛な会話が延々続く。
ほら、お邸は男性ばかりだから、なんかこういう無意味な会話も楽しくていいわね、なんて思う。


「八色都っ」

そんな私たちの女の会話を遮ったのは、谷田陸の声だった。

走ってきたのか、はぁはぁと息を切らしている。

「あら、ライバル登場?」

楽しそうに、こっそり音葉ちゃんが呟いた。
いったい、誰が誰のライバルって言うのかしら?
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