だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「おーい、谷田、八色。
お前らが仲が良いってことはよくわかったが、廊下は走るなよっ」
のんびりした声に足を止めた。
東野先生だ。
――別に、仲良くないですけど!
って言おうかと思ったけれど、手を繋いで二人で廊下を走ってたらまぁ、そう見えても仕方がないか、と諦める。
そっと目をやると谷田もあらぬ方向を見ていた。
ゆっくり、手が離れる。
「はぁいっ」
小学生らしい返事でその場を逃れ、昇降口に向かった。
「ここ出たら、走るぞ」
刑事ドラマの真似っこなのか、真剣な口調が笑いを誘う。
谷田って、本当、面白いヤツ。
「何なのよ?」
わたしは下校中の小学生を縫って走りながら、谷田に聞いた。
「後、500メートル」
返事としては噛みあってないし、500メートル全力疾走かと思うと軽くうんざりする。
小学生がいつだって元気一杯でノンストップだと思ったら大間違いなんだから!
でも、意外と。
300メートルも経たないうちに谷田が細い道へと曲がる。
わたしもそれにならった。
案外、距離感ないのね。谷田陸!
お前らが仲が良いってことはよくわかったが、廊下は走るなよっ」
のんびりした声に足を止めた。
東野先生だ。
――別に、仲良くないですけど!
って言おうかと思ったけれど、手を繋いで二人で廊下を走ってたらまぁ、そう見えても仕方がないか、と諦める。
そっと目をやると谷田もあらぬ方向を見ていた。
ゆっくり、手が離れる。
「はぁいっ」
小学生らしい返事でその場を逃れ、昇降口に向かった。
「ここ出たら、走るぞ」
刑事ドラマの真似っこなのか、真剣な口調が笑いを誘う。
谷田って、本当、面白いヤツ。
「何なのよ?」
わたしは下校中の小学生を縫って走りながら、谷田に聞いた。
「後、500メートル」
返事としては噛みあってないし、500メートル全力疾走かと思うと軽くうんざりする。
小学生がいつだって元気一杯でノンストップだと思ったら大間違いなんだから!
でも、意外と。
300メートルも経たないうちに谷田が細い道へと曲がる。
わたしもそれにならった。
案外、距離感ないのね。谷田陸!