だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
8.結局わたしもガキって言うの?
――結局。
パパはあれから会議に入っていき、わたしは、なんとなく集中力が出ないまでも追い込み勉強に入った。
言っても試験は来週の日曜日だし。
お兄ちゃんはわたしが夕食を終えた頃、ようやくミーティングが終わったようで、少しだけお話が出来た。
『不審人物が都さんの小学校に入っているというのはガセネタだったのかもしれません――。でも、油断はしないでくださいね』
廊下を歩くわたしを捕まえて、お兄ちゃんはそう言った。
それから、ふわりとわたしを抱きしめて
『都さんのことを嫌いになったことなんて一度もありません』
と。
綿菓子のようにふわふわとした、かつ甘い声音で囁いたからわたしは目を丸くするほかない。
『だって』
そこで、お兄ちゃんは別の人に呼ばれてどうしても会話を続けることが出来なかったのがとても残念。
えー、嫌いだって思い込んでいるのは、わたしだけなの?
わたしの勘違いなの?
……なんだか、納得できないんだけど。
「おはよ、八色都」
そんなことをごちゃごちゃと考えながら歩いていたら、背中から声が掛けられた。
朝の、登校時。
パパはあれから会議に入っていき、わたしは、なんとなく集中力が出ないまでも追い込み勉強に入った。
言っても試験は来週の日曜日だし。
お兄ちゃんはわたしが夕食を終えた頃、ようやくミーティングが終わったようで、少しだけお話が出来た。
『不審人物が都さんの小学校に入っているというのはガセネタだったのかもしれません――。でも、油断はしないでくださいね』
廊下を歩くわたしを捕まえて、お兄ちゃんはそう言った。
それから、ふわりとわたしを抱きしめて
『都さんのことを嫌いになったことなんて一度もありません』
と。
綿菓子のようにふわふわとした、かつ甘い声音で囁いたからわたしは目を丸くするほかない。
『だって』
そこで、お兄ちゃんは別の人に呼ばれてどうしても会話を続けることが出来なかったのがとても残念。
えー、嫌いだって思い込んでいるのは、わたしだけなの?
わたしの勘違いなの?
……なんだか、納得できないんだけど。
「おはよ、八色都」
そんなことをごちゃごちゃと考えながら歩いていたら、背中から声が掛けられた。
朝の、登校時。