だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
そんなどうでも良い事が、頭の中を回っていく。

「お前ら、こんなんが楽しいか?」

谷田陸は動揺することもなく、まるで大人が乗り移ったかのように低い声で呟くと、すたすたと黒板まで歩いて一息に文字を消した。

わたしは、何故だろう。
こんなの馬鹿馬鹿しいと頭の中では分かっているのに、金縛りにあったように入り口から中に入れない。

――わたしまで外に出たら、青山くんを追っていった、みたいにならない?
  なるよね。

頭の中では分かっているのに。
どうしても、身体は言うことを聞いてくれない。

わたしは今、顔面蒼白?
それとも、赤面してるの?

それすらも分からないまま、気づけば学校を飛び出していた。


さっき、折角登校してきたばかりだって言うのに。
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