だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
ま、でもあの信条は多分嘘ね。

パパは過去にいろいろあって、警察やら公務員やらそういう「公」の人たちが大嫌いなの。
だから、わたしが文部科学省の立てたカリキュラム通りに勉強するのが、面白くないだけに違いない。

……って、いつか清水が教えてくれた。


ああ、駄目駄目。
わたし、どうしてこう、パパとかお兄ちゃんとか清水のことばっかり考えちゃうのかしら。


ぶんぶん、と。
首を振って雑念を追い払う。

だって、こんなんだから大人になれないんだもんっ。
わたし、もっと自分を鍛える必要があるに違いないわ!


「ねぇねぇ、八色都」

そんなことを考えて無言になっているわたしに、谷田陸が遠慮がちに声を掛けてきた。
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