だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
9.ひたすら走ったその先に
「ん?」
振り向いたわたしの目の先に居たのは、ビルとビルの間にある、小さな公園のベンチの下のパンくずを拾って食べている……子供だった。
こ、子供?
猫でも雀でもなく。
二人の子供が必死に、猫か雀のためにばらまかれたパンくずを傍目も気にせずに拾って食べていたのだ。
「……あれって、幻覚じゃないよな?」
谷田陸も信じられないものを見たかのように目を丸くしている。
「そうね。
季節外れの幽霊なんかでも、ないと思う」
ビルとビルの谷間。
大人たちは足早に歩いていき、こちらに視線をくれる余裕なんてなさそうだ。
「行ってみよっか?」
学校を抜け出したはみ出しものの子供たちは、時間をたっぷり持て余している。
二人の出した結論は、同じだった。
振り向いたわたしの目の先に居たのは、ビルとビルの間にある、小さな公園のベンチの下のパンくずを拾って食べている……子供だった。
こ、子供?
猫でも雀でもなく。
二人の子供が必死に、猫か雀のためにばらまかれたパンくずを傍目も気にせずに拾って食べていたのだ。
「……あれって、幻覚じゃないよな?」
谷田陸も信じられないものを見たかのように目を丸くしている。
「そうね。
季節外れの幽霊なんかでも、ないと思う」
ビルとビルの谷間。
大人たちは足早に歩いていき、こちらに視線をくれる余裕なんてなさそうだ。
「行ってみよっか?」
学校を抜け出したはみ出しものの子供たちは、時間をたっぷり持て余している。
二人の出した結論は、同じだった。