だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
12.だって言えないんだもん!
◇都side◇
防水包帯は確かに水が滲みなくて良いのだけれど、手が使いづらくて仕方がない。
お陰で、お風呂から上がるまでにいつもよりずーっと時間がかかっちゃった。
とはいえ、自分の手の不自由さを思うたびに、今日見失った二人のことが気になって胸がズキンときしむ。
あれほどの傷。
どれほど痛むことでしょう。
虐待者に捕まってないといい、と祈る反面。
生活費なんて渡してないから、明日からまたパンを漁るのかしら、と心配にもなる。
いつもはお風呂で髪まで乾かすのだけれど、今日は諦めてお部屋でゆっくり乾かすことに決め、自分のドライヤーを持ってお風呂場を後にする。
「お待ちしていました、都さん」
お風呂を出た瞬間。
そこに、お兄ちゃんが立っていてびっくりした。
「髪、乾かしてあげますよ」
呆気にとられている間に、わたしの手からドライヤーを取り、肩を抱いて自分の部屋へと連れて行く。
手際よくわたしの頭にドライヤーを当てていく。
防水包帯は確かに水が滲みなくて良いのだけれど、手が使いづらくて仕方がない。
お陰で、お風呂から上がるまでにいつもよりずーっと時間がかかっちゃった。
とはいえ、自分の手の不自由さを思うたびに、今日見失った二人のことが気になって胸がズキンときしむ。
あれほどの傷。
どれほど痛むことでしょう。
虐待者に捕まってないといい、と祈る反面。
生活費なんて渡してないから、明日からまたパンを漁るのかしら、と心配にもなる。
いつもはお風呂で髪まで乾かすのだけれど、今日は諦めてお部屋でゆっくり乾かすことに決め、自分のドライヤーを持ってお風呂場を後にする。
「お待ちしていました、都さん」
お風呂を出た瞬間。
そこに、お兄ちゃんが立っていてびっくりした。
「髪、乾かしてあげますよ」
呆気にとられている間に、わたしの手からドライヤーを取り、肩を抱いて自分の部屋へと連れて行く。
手際よくわたしの頭にドライヤーを当てていく。