だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
「ほら、清水はきっと自分の娘にやたらとちゅうとかもしないわよ。
だから、うちのパパと一緒に考えるのは止めたほうがいいわ」

うん、懸命なアドバイス。

「確かに、ねぇ。
でも、都さんが悩んでいるのは別に、紫馬さんが添い寝してくれないからじゃないんですよね?」

……うっ。
わたしは思わず目を白黒にする。

ココアがまだ残っていたら、噴き出しているところだったわ。
危ない、危ない。

穏やかな表情で嫌なことを言うのは止めて欲しいんですけど。
わたしは思いっきり目を逸らして小さな声で呟いた。

「お兄ちゃんが、もう、一緒に寝てくれないっていうんだもんっ。
わたしが12歳になったからっ」

「なるほど」

清水の声は落ち着いている。
腹が立つほど。

「何よ。
笑いたければ笑えば?」

どうせわたしのこと、甘えん坊だって思ってるんだわ。

「いえ。特に笑うつもりはないですが。
でも、だからって次期総長が都さんのことを嫌いになったとは思えないんですけどねぇ」

どんな話を振っても、淡々と真面目に返すのが清水の凄いところ。
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