制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン
その日の昼休み。
私は陵弥と会う為、中庭へ向かった。
中庭のベンチには陵弥。
と……あの娘。
…何で…?
愛美と呼ばれてた女の子。
陵弥の隣に座って、頬を赤らめ陵弥を見上げる。
陵弥が笑ってる…?
立ち止まる私に気付くと、女の子は立ち上がってニッコリと微笑んで、中庭から出て行った。
私はその背中を見送る。
「あの娘、幸樹が好きなんじゃねーの?色々聞いていったぞ」
…は…?…
陵弥は気付いてないの?
あの娘は陵弥が好きなんだよ…
きっと幸樹君の事聞く振りして、陵弥に近付いてる…
あの娘が幸樹君を好きだと思って笑ってるの…?
普段、勘のいい陵弥が女の子の事は鈍いんだね。
胸の奥がザワザワと騒ぐ感じがした…