制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン
「陵弥って鈍感」
思わず、口に出して言ってしまった。
陵弥はちょっとムッとして。
「何だよ…」
私は。
「別に」って、素っ気なく返事を返した。
別に陵弥とケンカしたい訳じゃないんだけど…
陵弥が。
「何だぁ…俺が他の女といたからヤキモチかぁ」
って、馬鹿にした様に言うから。
「そんなんじゃありません。陵弥が鈍感だからはっきり言ったのッ」
って、突っ掛かってしまう。
駄目だ…
「ごめん…私教室戻る」
私は中庭を後にした。
ヤキモチ…そう言ったらそうなのかも知れない。
モテる陵弥が、女の子に囲まれるなんて日常珍しくないし。
特に、何とも思ってなかった。
ただ。
あの娘の目が本気だから…
何かが違うって、気がするんだよ…
もぅっ
気付けバカ陵弥!