制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン


「…か…凜花!」



頭の上から聞こえた沙織の声に、ゆっくり顔を上げた。



「どうしたの?アンタ昼休みから変よ。陵弥と何かあった?」





さっき見たのは夢…?






「…何もないよ」




ちゃんと陵弥に確かめてから沙織に話そう。



そう思って何も言わなかった。






放課後の下駄箱で、まだ来ない陵弥を待ってた。





「沢村先輩…」



声の主は愛美ちゃん…


今は顔見たくなかったかも…





「私…1年の田代 愛美と言います。…私川上先輩が好きなんです」




私は黙ったまま彼女を見た。




「あの…私は川上先輩に好きって伝えますから。今は沢村先輩が彼女でも、私も諦めませんからっ」




私は黙って、愛美ちゃんの言葉を聞くしか出来なかった。


真っ直ぐ私を見て、キッパリ陵弥が好きだと私に宣言する愛美ちゃんを。





陵弥の彼女だからとゆう理由で、責める事が出来る訳もない…




誰が誰を好きになるのも自由なはず…





傷付かない恋愛はないと。



陵弥と付き合い出して学んだ事。







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