制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン
「あれは…不意打ちってゆうか…突然つうか…俺からじゃなくて…その凜花が知らなくて済むならって思ってその…」
…そんなの…
「わかってるよッ!?」
言葉を濁す陵弥に、腹が立って怒鳴ってしまった。
「陵弥は私を裏切る様な事はしないって、わかってるよ…だから…
だからこそ嘘なんかついて欲しくなかった。ちゃんと本当の事を陵弥の口から聞きたかった…」
私の頬には涙が伝っていて。
陵弥が私を抱きしめた。
「…ごめん…凜花…」
「陵弥だって知ってるでしょ…私の席からは中庭が見えるんだって…
私だって見たくなかったよ…
そしたら…陵弥に嘘なんかつかれずに済んだのに…」
「…ごめん…」
「私…愛美ちゃんに陵弥が好きって宣言されたよ…」
陵弥がキスしようと顔を近付けた。
それを私は…
こんな気持ちで受け入れられなかった。
顔を背けた私に、陵弥が顔を歪めた。
「お前…俺を疑ってるのか?」
「ち、違っ…」