制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン


「…嫌…」


泣きながら言った私を、無視して陵弥はグイッと引っ張る。




それを見た幸樹君が。


「陵弥が凜花ちゃんを泣かすなら俺は渡せない!」




って、言うと。





「っ…うるせぇーお前ぇには関係ねぇ!黙ってろッ!!」




陵弥がキレた。





幸樹君を突き飛ばすと。


私の腕を掴んで歩き出す。


陵弥は完全に怒った顔で、私を見ない。




私はただ、泣く事しか出来なくて…陵弥に引かれるまま歩いた。





連れ戻された陵弥の部屋。




部屋に入っても掴んでいる腕を離そうとせず。




「何で幸樹と…」


陵弥…怒ってる…?


低い声。

冷たい言い方。



「何で幸樹といたか聞いてるんだ!答えろよッ!」





怒鳴る陵弥。




本気で怒ってしまった陵弥の言葉に。



身体が震えた。




「…ぐ、偶然…会って…ヒック…グズ…」



私を、怒った顔で見つめる陵弥が怖いんだもん…



ボロボロと泣き出す私を陵弥が。



「…ごめん凜花…」




怒ってたはずなのに…



優しく抱きしめて。





「…俺…自分に腹が立つ…」





…えっ…?








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