制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン
「去年は下駄箱やら机から、はみ出してたんじゃなかったかな…」
…やっぱり…だよね…
本人に聞く訳にもいかず、沙織と帰る前の卓君に聞いてみた。
「それより凜花ちゃん…陵弥がスッゲエ機嫌悪かったけど、ケンカでもした…?」
はぁ…機嫌悪いって、まだ根に持ってるの…
それを聞いていた沙織が。
「あんたが拒否るからよ…ブッ…」
って吹き出すし。
「拒否…?」
意味不明の卓君に耳打ちして教えちゃって…
「そりゃぁ陵弥が機嫌悪いはずた」
って。
何で私が悪いみたいになんのぉ…
いつまでも根に持ってる陵弥がおかしいんだって!!
手を振って、仲良く帰って行く沙織と卓君を見送って。
下駄箱に寄り掛かって陵弥を待つ。
「川上先輩」
って、下駄箱の奥の方から聞こえて覗いて見ると。
陵弥を呼び止めた女の子と、振り返った陵弥がいた。
女の子は多分1年生。
頬を赤くして上目遣いで陵弥を見上げる。
……………
…この娘陵弥が好きなんだ…