制服のボタン*凜花と陵弥のバレンタイン
何かモヤモヤする…
…女の勘ってやつ…?
あの娘が私に、何かするとは思えないけど。
何だろ…このままじゃ済まないんじゃない…?
そんな気がした。
そんな私の予感は的中した。
その日は移動教室の授業があった。
何の気なしに通った1年生の教室の近くの階段の踊場。
「愛美、じゃぁ川上先輩に告白するの?」
「そのつもり…」
こんな会話が聞こえて、階段を下りる足が止まった。
あの時の女の子…だ。
「川上先輩彼女いるじゃん。ボタンのおまじないだって川上先輩達から始まってるんだし」
「そんなの関係ないよ。もしかしたら、私を好きになってくれるかも知れないじゃない…」
「……」
「絶対に、好きになって貰える様に頑張るもん」
女の子はそう言い切って教室の中へと入って行った。
あの娘が陵弥に好きって言ったら…
…何かが変わる…?
俺を信じろって、自信たっぷりに言った陵弥を信じていいよね…