Forever~社長と初めての恋~
「…ごめん。愛莉」


「………。」




何も言えない…。


どう言えばいいのかわからない…。





「言い訳って思われるかもしれない。だけど本当の事を話すから…聞いてくれる?」




私を見つめている目が真剣で、私は無言で頷いた。





「あの人はいつも話しかけてくる社員で…告白されたんだ。…断って行こうとしたら、引っ張られてキス…された」




「じゃあ…なんで抵抗しなかったの!?」




拓斗のほうを見ると泣きそうだったので、俯きながら叫んだ。





「できなかったんだ…。あまりに突然すぎて。…本当にごめん」




拓斗が嘘をついているとは思えない…。



それは分かっているけど…


あの人のほうがいいと思っているのか不安だった。






「拓斗は…あの人のほうがいい?…私なんか嫌い?」





どうしても確かめたくて、拓斗にそんな事を言ってしまった。






「バカ!…愛莉がいいに決まってるだろ!!」




拓斗は私のことを痛いほど強く抱きしめた。
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